ヨガと甲状腺の健康 〜内なるバランスを整える〜
- HAPPY HATSUMI YOGA 代表 Hatsumi

- 6月15日
- 読了時間: 5分
私たちの身体には、見えないけれどとても大切な「司令塔」がいくつも存在します。そのひとつが「甲状腺(こうじょうせん)」です。今日はこの甲状腺にフォーカスし、病気のこと、予防のための生活習慣、そしてヨガがどのように役立つのかをお話しします。
甲状腺とは?

甲状腺は、首の前側にある蝶のような形をした小さな内分泌器官です。ここから分泌されるホルモン(主にT3・T4)は、代謝・体温・心拍数・精神の安定・女性ホルモンのバランスなど、実に多くの身体機能に関わっています。
私自身の体験 〜ヨガが甲状腺を助けてくれた〜
実は、私自身も過去に甲状腺を悪くした経験があります。2010年、ホノルルマラソンを完走するため、半年前からホノルルのランニングチームに入り、それまで長距離なんて走ったこともなかったのに、急に毎日5〜10キロ走る生活を始めました。無事に本番で完走はできたものの、想像以上に身体へのストレスが大きかったのです。
振り返れば、原因は肉体的疲労に加え、栄養不足とカロリー不足だったと思います。ヨガの指導を長年しており、当時はベジタリアン(たまにペスカトリアン)だったこともあり、特にたんぱく質が足りていませんでした。
そして、体調を崩し、検査の結果「バセドウ病(甲状腺機能亢進症)」と診断されました。急にホットフラッシュのような汗、激しい動悸、体重の急減。まるで更年期のような症状に戸惑いと恐怖を感じました。
2ヶ月ほど病院から処方されたホルモン剤を服用し、少しずつ症状は改善。その頃から「できるだけ薬の量を減らしたい」という気持ちが湧いてきて、ヨガの自主練習に“甲状腺を刺激するポーズ”を意識的に取り入れるようになりました。
特に毎日欠かさず行ったのは、以下のポーズです:
魚のポーズ(マツヤーサナ)
肩立ちのポーズ(サルヴァンガーサナ)
すると不思議なことに、薬を飲まなくても調子が良くなっていったのです。半年分処方されていた薬でしたが、私は2ヶ月で服用をやめ、自分の身体とヨガに委ねてみることにしました。
半年後、検診に行くと、検査結果は正常範囲内に戻っていました。先生は、私が薬をきちんと飲み切ったと思っていたようでしたが、私は正直に「途中で薬をやめて、ヨガで甲状腺を刺激するポーズを続けていた」と伝えました。もちろん先生は勝手に薬をやめたことをよく思っていませんでしたが、汗。。「結果オーライですね」と言ってくれました。
※もちろん、すべての方に同じ方法が合うとは限りません。医師と相談しながら、自分の身体と向き合うことが大切です。
甲状腺の主な病気・原因・予防
甲状腺の主な病気
甲状腺機能亢進症(バセドウ病など) → 代謝が過剰になり、動悸・汗が多い・痩せる・不安感・不眠などの症状。
甲状腺機能低下症(橋本病など) → 代謝が低下し、疲れやすい・冷え・むくみ・うつっぽい・体重増加などの症状。
甲状腺結節・腫瘍 → 良性から悪性まで様々。しこりや圧迫感が特徴です。

原因とリスク要因
慢性的なストレス ストレスホルモン(コルチゾール)の影響で、甲状腺ホルモンの働きが阻害されます。
ヨウ素の摂りすぎ・不足 海藻類の摂りすぎや逆に不足する食生活は、甲状腺の働きを乱します。
遺伝的要因 特に自己免疫疾患(橋本病・バセドウ病)は家族性がみられることがあります。
環境ホルモン・化学物質 プラスチックや農薬などの化学物質は、ホルモンバランスに影響を与えることがあります。
甲状腺の健康を守る生活習慣
適度な運動:軽い有酸素運動やヨガは、代謝と自律神経の調整に効果的。
バランスの良い食事:ヨウ素(わかめ・昆布)や亜鉛、セレン(ナッツ・卵・魚介類)を適度に摂取。ヨウ素の摂りすぎは注意です!
ストレスケア:呼吸法や瞑想で、副交感神経を活性化。
定期的な健康診断:血液検査やエコー検査でホルモン値や甲状腺の状態をチェックしましょう。
ヨガで甲状腺をケアする方法
ヨガは、甲状腺の血流を促進し、自律神経のバランスを整える働きがあります。特に首周りを刺激するポーズや、内臓やホルモンに働きかけるポーズがおすすめです。
おすすめヨガポーズ(アーサナ)
肩立ちのポーズ(サルヴァンガーサナ) → 甲状腺のある首を優しく圧迫し、血流を促進します(注意:首に問題のある方は避けるかサポートを)。
魚のポーズ(マツヤーサナ) → のどを開き、甲状腺の開放とストレッチに効果的。
ラクダのポーズ(ウシュトラーサナ) → 胸と喉を開くことで、甲状腺と副甲状腺の働きを活性化。
猫と牛のポーズ(マールジャリ・ビティラーサナ) → 背骨と首の柔軟性を高め、自律神経にも良い影響を与えます。
呼吸法と瞑想も効果的
ナーディショーダナ(片鼻呼吸法):自律神経のバランスを整え、ストレス軽減に。
ブラフマリー呼吸法(蜂の羽音の呼吸):神経系を落ち着かせ、ホルモン系の安定に効果があるとされます。
メディテーション(瞑想):ストレスを緩和し、自己免疫の暴走を鎮めるサポートになります。
最後に
甲状腺の不調は気づきにくく、単なる「疲れ」や「年齢のせい」と見逃されがちです。でも、日常生活やヨガの中で少しだけ意識を向けることで、大きな変化が生まれるかもしれません。自分の内側の声に耳を傾け、呼吸とともに「のど」のエネルギーを整えていきましょう。
「のど(ヴィシュッダ・チャクラ)は、真実を語る場所でもあります。心と身体が正直でいられるよう、ヨガを通じて自分と向き合っていきましょう。」身体に異変を感じたら、病院に行って検査を受けることをお勧めします。自分の身体は自分しか守れません。大切にしましょうね。

ナマステ🙏




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