ママを悩ます産後のうつ(鬱)について
「産後うつ」とは、産後の女性ホルモンバランスの急激な変化により心と体がついていけず、気持ちが極度に落ち込んでしまうことを言います。 酷くなると、赤ちゃんが可愛く思えなくなったり、育児を放棄してしまったり(ネグレクト)、最悪の場合は命を絶ってしまう方もいる程、深刻な問題です。特に、高齢の方は不妊治療でやっとの思いで授かり、喜びに満ちていた妊娠期間があったのにも関わらず、産後このような極度の気分の落ち込みに陥る方は少なくありません。 「女性ホルモンの変化によって起こる」と言うことは、多くの方がご存知だと思いますが、具体的にどういうことなのか?詳しくみていきましょう。
妊娠をしていない時、女性ホルモンは卵巣から分泌されています。では妊娠中どこから女性ホルモンは分泌されるのでしょうか?答えは「胎盤」です。 妊娠中は、妊娠を継続するために、大量の女性ホルモンが胎盤から分泌されます。その胎盤も、出産を機に体内から外に出ます。すると、一気に女性ホルモンの値が急下降します。 産後1~2週間は、誰もが「産後うつ」、または「産後うつ」とまではいかなくても、「気分の落ち込み」「普段は怒らないことで怒ってしまう」などの症状が殆どの人に出ます。私も産後、普段は気にしないようなことで怒ったり、イライラしたりということがありました。
高齢出産の方は、若い方に比べて産後うつが長引くことが多い傾向にあります。
それは、生理の再開が若い人に比べて遅いことが原因です。産後、授乳をしている間は、しばらく生理がありません。女性は授乳している場合、「今は小さな赤ちゃんを育てているから妊娠はできないよ」と、プロラクチンというホルモンが卵巣機能に抑制をかけるのです。若い方は、授乳をしていても半年位で生理が来る方が多いですが、高齢の方は、若い方に比べて生理の再開が遅くなりがちです。生理の再開が遅いと、女性ホルモン、エストロゲンが少ない状態が長く続くということです。 そうなると、自律神経のバランスも崩れ、産後うつになりやすくなってしまいます。高齢の場合、断乳後も生理がくるのに時間がかかってしまうケースが多く、エストロゲンの値が低い状態が長く続いてしまうのです。エストロゲンは女性の守護神。髪や肌をツヤツヤにしたり、血管に弾力を持たせてくれたり、気持ちを前向きに明るくしてくれたり、女性を体の内側、外側から守ってくれる大切なホルモンです。 完全母乳は多くのメリットがあり、とても素晴らしいことですが、完全母乳を頑張りすぎて、生理が長い間来ず、気分的にも体力的に限界を感じていらしゃる方は、一度病院で体調について相談をし、頻回授乳を減らして少しミルクを足してみたり、生理を再開するためのホルモンを打ってもらったりして、生理を再開させてエストロゲンの分泌を促してみると、気分も体調も良い方向へ向かうことが多いです。
頑張りすぎないで!
「赤ちゃんのために」と、授乳を頑張ることは素晴らしいですが、ママの心と体が何よりも大切です。ママが元気でHappyでないと、育児に支障がきてしまいます。どうかご自身の心と体が限界になるまで、頑張らないで下さいね♡
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