子宮全摘手術の本当のメリットとデメリット
- HAPPY HATSUMI YOGA 代表 Hatsumi
- 5月15日
- 読了時間: 4分
こんにちは、ヨガインストラクターのHatsumiです。
今回は、子宮筋腫の治療の選択肢のひとつ「手術」、特に子宮全摘出手術について深く掘り下げていきます。出産を終え、生活の質=QOLを優先したいと考える女性にとって、子宮全摘という選択は現実的な選択肢のひとつです。しかし、メリットだけでなく、意外と知られていないデメリットもあることをご存知でしょうか?このコラムでは、医療的な情報と共に、女性としての感覚や性の在り方に関わる部分まで、丁寧にお伝えします。
◆ 子宮全摘を選ぶメリットとは?
子宮筋腫の根本的な治療になる 筋腫は子宮にできるため、子宮ごと摘出すれば再発のリスクはゼロになります。
生理が完全になくなる 月経過多や生理痛から解放され、生活が楽になるという女性は多くいます。
子宮の病気のリスクがなくなる 子宮を摘出することで、子宮頸がんや子宮体がんのリスクもゼロになります。 一方、子宮を残したまま筋腫だけを取った場合、今後これらの病気にかかる可能性は残ります。
精神的な安心感 「もう病気の心配をしなくていい」という安心感が得られるという声もよく聞かれます。
◆ 知っておきたいデメリット
◉妊娠はできなくなる
これは当然ですが、今後妊娠を望む場合には選べない方法になります。
◉ 膣の構造が変わる
日本人女性の術後の膣の長さの平均は約8cm〜10cmと言われています(個人差あり)。一方で、日本人男性の平均的なペニスの長さは勃起時で約13cm前後と言われています(個人差あり)。とはいえ、膣は出産に耐えれる程、柔軟に伸び縮みする構造なので、性交渉ができなくなるということはありません。
◉ ポルチオ(子宮頸管の奥の性感帯)を失う可能性がある
子宮全摘の際、多くの場合子宮頸部ごと切除されます。この部分には「ポルチオ」と呼ばれる性感帯があり、ここに快感を感じる女性にとっては、性感の変化や喪失を感じる可能性があります。
アメリカでは、性生活の満足度を重視する文化的背景から、子宮の本体だけを摘出し、子宮頸部(ポルチオ)を残す手術が選ばれることもあります。しかし日本では、性に関する話題がタブー視されやすく、医師による説明もあっさり済まされることが多いのが現実です。

◆ 「子宮を残す」という選択肢もある
子宮筋腫は良性の腫瘍です。命に関わる病気ではないことが多く、症状が軽い場合や、性の感覚を大切にしたいと考える女性にとっては、子宮を残して筋腫だけを取り除く「筋腫核出術」という選択肢もあります。
この場合、ポルチオを失わずに済むため、性感の変化は起こりにくいと言われています。ただし、筋腫が再発する可能性はゼロではありません。
◆ 手術を決める前に、必ずしておきたいこと
手術の選択肢については、婦人科の先生としっかり相談することが大前提です。でも、「性のこと」や「自分がどこに快感を感じていたか」などは、なかなか言いにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。
しかし、自分の身体は、誰よりも自分のものです。恥ずかしがらずに、「ポルチオは残せますか?」「膣の長さや性感に影響はありますか?」など、遠慮せず聞いてください。
また、婦人科の先生によっては、こうした説明をさらっと流してしまうこともあります。
医師任せにせず、自分から質問することがとても大切です。
◆ 最後に:自分の人生、自分の選択で
子宮を残すか、全摘するか――その選択には、「体のこと」だけでなく、「心のこと」や「人生の価値観」が深く関わってきます。
大切なのは、「何が正しいか」ではなく、「何が自分に合っているか」。手術はゴールではなく、新しい体との向き合い方のスタートです。
どうかあなたが、自分自身の心と体の声を大切にしながら、納得のいく選択ができますように。今後手術をする方の参考になれば幸いです。
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