9月は、夏から秋への移行期であり、東洋医学の観点から見ると、心と身体にさまざまな不調が現れやすい時期です。特に女性は、この季節の変わり目に敏感なため、適切なケアが重要です。以下に、9月に起きやすい不調とその対策について、ヨガや呼吸法、食生活を中心にご紹介します。
1. 疲労感や無気力感
9月は夏の暑さからくる疲れが残りやすく、無気力感やだるさを感じることが多くなります。東洋医学では、夏に消耗した「気」を回復することが大切だと考えられています。
対策:
呼吸法:腹式呼吸深い腹式呼吸は「気」を充実させ、エネルギーを回復させる効果があります。
仰向けになり、手をお腹に置きます。
鼻からゆっくりと息を吸い、お腹を膨らませます。
口をすぼめてゆっくりと息を吐きながら、お腹をへこませます。これを5~10分間続けます。
ヨガポーズ:シャヴァーサナ(屍のポーズ)全身の力を抜いてリラックスすることで、疲労回復を促進します。
仰向けに寝て、足を肩幅程度に広げ、手のひらを上に向けて体の横に置く。
呼吸に意識を向け、全身の力を抜いてリラックスします。5~10分間、瞑想的な状態で心身を休めます。
食生活:滋養を与える食材を摂る疲労回復には、滋養を与える食材を摂ることが効果的です。
黒豆、山芋、ゴマ、ナツメなどの「陰」を補う食材が良いとされています。
スープやお粥など、消化に優しい温かい食事を摂るよう心がけましょう。
2. 消化不良や胃腸の不調
9月の日本はまだまだ湿気が残るため、胃腸に負担がかかりやすく、消化不良や下痢、食欲不振などの不調が起きやすい時期です。
対策:
呼吸法:カパラバティ呼吸法消化機能を活性化し、胃腸を整える効果があります。
鼻から短く強く息を吐き出し、その勢いで腹部をへこませます。
吸う息は自然に行います。これを10~15回程度繰り返し、消化器官を刺激します。
ヨガポーズ:バッタのポーズ(シャラバーサナ)胃腸を刺激し、消化を助けるポーズです。
うつ伏せになり、両腕を体の横に伸ばします。
吸いながら上半身と両脚を持ち上げ、背中を反らせます。数秒キープし、ゆっくりと元に戻ります。
これを数回繰り返し、消化器系を刺激します。
食生活:温かい食事と湿気を取り除く食材冷たい食べ物や飲み物は胃腸に負担をかけます。温かい食事を心がけましょう。
生姜、ネギ、山椒など、体を温め、湿気を取り除く食材を積極的に取り入れます。
3. 肌のトラブルや乾燥
9月になると、空気が乾燥し始めるため、肌の乾燥や吹き出物、かゆみなどのトラブルが起こりやすくなります。
対策:
呼吸法:シータリ呼吸法乾燥を防ぎ、体に潤いを与える呼吸法です。
舌を丸めて口をすぼめ、その舌の上を通して息を吸います。
吸った息を口を閉じて鼻からゆっくりと吐きます。これを数回繰り返します。
ヨガポーズ:ラクダのポーズ(ウシュトラーサナ)胸を開いて肺を広げ、全身に潤いを与えます。
膝立ちになり、両手を腰に置いて、吸いながら胸を開いて背中を反らせます。
両手をかかとに置き、頭を後ろに倒します。数呼吸キープし、ゆっくりと元に戻ります。
食生活:潤いを与える食材を摂る肌の乾燥を防ぐために、潤いを与える食材を積極的に摂りましょう。
白きくらげ、梨、アロエ、蜂蜜などは、肌に潤いを与える効果があります。
水分補給も忘れずに行い、1日に十分な量の水を飲むようにしましょう。
4. 気分の変動やストレス
夏の終わりとともに日照時間が短くなり、気分の変動やストレスを感じやすくなる時期でもあります。東洋医学では、心の安定には「肝」のケアが重要とされています。
対策:
呼吸法:ナディ・ショーダナ(片鼻呼吸法)気持ちを落ち着かせ、心のバランスを整える呼吸法です。
片方の鼻を指で軽く押さえ、反対の鼻から息を吸い、その鼻を閉じて反対側の鼻から息を吐きます。
これを数回繰り返し、心の安定を図ります。
ヨガポーズ:前屈ポーズ(ウッターナーサナ)前屈することで神経を鎮め、ストレスを和らげます。
立位で足を腰幅に開き、息を吐きながら上半身を前に倒します。
手を床や足に置き、首と肩の力を抜きます。数呼吸キープし、ゆっくりと元に戻ります。
食生活:肝をケアする食材肝の働きを助けるために、ストレス軽減効果のある食材を摂りましょう。
ほうれん草、菊花、しそ、柑橘類など、肝の「気」を調整する食材がオススメです。
まとめ
9月は季節の変わり目であり、心と身体のバランスが崩れやすい時期です。東洋医学の知恵を活用しながら、ヨガのポーズや呼吸法、適切な食生活を取り入れることで、この季節特有の不調を和らげることができます。心身を整えて、健やかに秋を迎えましょう。
深い呼吸ができるようになる、呼吸法の解説動画で、この時期を快適に乗り越えて下さい。
呼吸を制する者は、人生を制する!と言っても過言ではありません!
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