新しい命を幸せに育むためのマタニティヨガを教えている著者の私が、妊娠人工中絶の問題を取り上げるのは矛盾しているかもしれませんが、全ての女性が望まれた妊娠をするとは限らないと言うことを、皆さんもご存知だと思います。
今日はどうしても悲しい選択をしなければならない場合の、妊娠中絶の現実を目を背けずに書きたいと思います。
まずは、日本で法律的に中絶が認められている時期を知りましょう。
日本では、妊娠中絶は妊娠22週未満まで可能です。この制限の理由は以下の通りです:
胎児の発育:22週を過ぎると胎児は生存可能性が高まり、中絶が生命を奪う行為とされるため。
母体の安全:22週未満の中絶は比較的安全であり、母体の健康を守るため。
国際基準:多くの国々が22週を基準としており、日本もこれに従っているため。
特定の医療的理由がある場合を除き、22週以降の中絶は認められていません。
では、アメリカで中絶が認められている時期はいつでしょうか?
アメリカにおける妊娠中絶の問題は非常に複雑で、多くの要因が絡み合っており、日本のように1つの制限だけではありません。アメリカは州によって決まりが違うからです。具体的な例を挙げながら、現状をわかりやすく説明します。
1. 中絶禁止の州とその影響
アメリカでは州ごとに中絶に関する法律が異なります。一部の州では、中絶が厳しく制限されているか、完全に禁止されています。例えば、テキサス州では妊娠6週以降の中絶が禁止されています。このような法律の影響で、望まない妊娠をした女性、特にレイプや暴力によるものでも、中絶を受けることが難しくなっています。
2. 移動の制約と罰則
中絶が禁止されている州に住む女性が、中絶が許される州に移動するためにタクシーや他の交通手段を利用すると、その運転手や移動を助けた人も罰せられることがあります。これは「協力罪」として扱われることがあり、中絶を助ける行為が犯罪と見なされるのです。
例:テキサス州に住む女性Aさんが望まない妊娠をしてしまいました。彼女は中絶が許されているニューメキシコ州に行くためにタクシーを呼びました。タクシーの運転手がその事実を知っていれば、彼も法律違反として罰せられる可能性があります。
3. 産後のサポート不足
多くの中絶禁止州では、女性が出産した後のサポートが十分ではありません。例えば、育児に必要な経済的支援や医療サポートが不十分であったり、育児休暇が十分に取れないことが問題となっています。
例:女性Aさんが望まない妊娠をして出産した場合、彼女がシングルマザーであれば、育児にかかる費用や時間的な負担を一人で背負わなければなりません。州からの支援が乏しいため、経済的に困窮する可能性があります。
4. 宗教的背景
アメリカの中絶問題には宗教的な背景も深く関わっています。特にキリスト教の一部の宗派では、中絶を禁じる教義があり、これが政治や法律に影響を与えています。
例:ミシシッピ州では、キリスト教保守派の影響が強く、州の法律として中絶を厳しく制限しています。これは信仰に基づいた価値観が政治に反映されている例です。
5. 女性の選択権
中絶をするかどうかは、本来妊娠した女性が決めるべき個人的な権利です。しかし、一部の州では法律によってその権利が制限されています。これは「女性の自己決定権」の侵害として批判されています。
例:ニューヨーク州では、女性が自分の意思で中絶を選ぶことができます。これは「リプロダクティブ・ライツ(生殖権)」として認められていますが、テキサス州のような中絶禁止州では同じ権利が認められていません。
アメリカの中絶問題は、州ごとの法律の違い、移動の制約、産後のサポート不足、宗教的影響、女性の選択権の問題など、多くの複雑な要因が絡み合っています。これにより、望まない妊娠をした女性が困難な状況に置かれ、中絶を選ぶ権利が制限されているのが現状です。現状で中絶ができない州は、テキサス、ミズーリ、オクラホマ、アラバマ、アーカンソー州です。この問題は、法律だけでなく、社会全体の支援体制や文化的背景も考慮する必要があります。
まとめ
今回は日本とアメリカの妊娠人工中絶について書きましたが、様々な国で様々な決まりがあります。
どこの国でも言えることですが、妊娠により心と身体にダメージを受けるのは女性だと言うことです。だからこそ、女性は自分自身を守らなければならないのです。性病をもらわないために、望まない妊娠をしないために避妊具やピルを使用する、自分の子供が性の被害に遭わないよう親として子供を守る。親としては考えたくない、目を背けたい問題ですが、悲しい妊娠中絶をしなくて良いように現実を知り、子供達に教えていくことが大切だと考えます。マタニティヨガインストラクターとして、女性の皆様が幸せな妊娠をすることを切に願います♡
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